PCに長年興味があり、常に最新の性能を持つものに更新することが趣味である僕は、理系の学校に通っています。
PCはパーツ単体で性能向上が常に図られ、それを謳い文句に新製品として販売されます。
ところがメーカーによっては組付けたとき所定の性能が発揮されないことがあり、メーカーや機種による適合性の問題があることを多く経験してきました。
この問題は何か新薬を開発、製造販売することを薬事申請し、関係部署からの承認を得ることと似ている感じがします。
理系の僕がそれを解説してみます。
薬事申請は薬品の製造販売、輸入販売をするために厚生労働省に行う申請業務のこと
製薬・医療機器メーカーなどが、日本国内で医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などの製造販売や輸入販売を行なうには、厚生労働省から認可を受ける必要があります。
この際、厚生労働省に対して行なう申請は薬事申請と呼ばれているものです。
申請のほとんどは、用意されている申請用のソフトウエアが使用され、オンラインで行われます。
このとき、薬事法で定められた項目を詳細に記載しなければなりません。
項目としては製品の構造・品質・治験データなどになります。
その後厚生労働省の管轄機関において申請書・資料についての審査が実施され、承認されたら当該製品の販売が可能になります。
申請書に記載する内容は、製品が必要な理由・開発の経緯・治験の内容・品質管理の方法・安全性や有効性などを化学的に記載し提出します。
そして第三者認証機関などで構成される専門家による審査チームが申請者と面談、提出書類や試験や資料の信頼性を調査し評価を行ないます。
その製品が作られる製造所においては、医薬品・医薬部外品・医療機器の製造管理基準に則って製造されているかの検査が行われ、問題なければ承認OKとなりますが、臨床試験~機器開発~申請のどの段階においても安全性を重視し、科学的根拠に基づいた方法で行われることが求められます。
そのため安全性・適合性・有効性を確かめながら各作業は行なわれていきます。
適合性・安全性・有効性などを適切に記載する必要があるのは、PCパーツと似ている
PCパーツを新しくしたり、より処理が正確で速いものに交換するときは、取り付けようとするPCに対してパーツの適合性・安全性・有効性を確認しながら進めていきます。
単体で動作が確認できていたとしても、取り付けようとするPCによっては適合しないことがあり、その原因を把握しながら作業を進めていくことになります。
PC部品の性能向上のスピードは速く、最新のものに交換することで性能アップが期待できます。
例えばデータを計算・処理するCPUは年々高速化し、メモリーも大容量化します。
これらのパーツを交換したり増設することで性能向上を図ることができるのですが、パーツメーカーによっては適合しなかったり、かえって不安定な動作になることがあるのです。
その原因を探りながらPC全体の性能を向上させることは、最新の製薬技術を開発し、薬事申請することと似ています。
理論上効能があり、動物実験でも有効性が確認されたとしても、人に対し適合性・安全性・有効性があるかどうかは未知のことになります。
従ってそれらの事項に問題ないか確認しながら作業を進めることは、PCの性能向上(適合性・有効性)と長期間の動作で問題が発生しないか(安全性)によく似ていると考えられるのです。